以前、台湾のお土産として加味四物湯の鍋の素をいただいたことがありました。
台湾と聞くと、日本では火鍋の印象が強いかもしれませんが、現地ではもっと日常の延長として薬膳が存在しているように感じます。
特別な健康法というよりも、体の状態に合わせて「今日はこれにしようか」と選ぶ感覚ですね。
その中のひとつが、加味四物湯なのだそうです。
袋を開けた瞬間に感じる、生薬特有の香り。
正直に言うと、最初は「おいしそう」という感覚ではありませんでした。
でも、鍋として煮込んでいくうちに、その香りがだんだんと気にならなくなり、食後には体の奥がじんわりと落ち着いているような感覚が残りました。
何かが劇的に変わった、というよりも、
「あれ、いつもと少し違うな」
そんな小さな違和感に気づくような体験でした。
加味四物湯を構成する生薬の考え方
加味四物湯は、「四物湯」を基本にした処方です。
四物湯は、当帰・川芎・芍薬・地黄という四つの生薬から成り立っています。
それぞれの生薬には役割がありますが、ここで大切なのは組み合わせて効果をあげるということ。
香りが強く感じられるのは当帰や川芎の存在感。
そこに芍薬や地黄が加わることで、全体に丸みや深さが生まれます。
加味四物湯は、さらに生薬を加えることで、その人の状態やタイミングに合わせた形になります。
だからこそ、商品や家庭によって香りや味に違いがあり、「これが正解」というものが決まっていないのも特徴です。
鍋からお茶へ、形が変わっても残る感覚
加味四物湯の鍋の話をしていたとき、友人からいただいたのが加味四物湯茶でした。
こちらは煮出すだけで飲める、お茶のタイプです。

鍋に比べるとずっと手軽ですが、香りはしっかりと残っています。
湯気と一緒に立ち上がる生薬の香りは、初めてだと少し構えてしまうかもしれません。
でも、口に含んでみると、味そのものは意外と強すぎず、
飲み進めるうちに、体の内側にゆっくりと広がっていくような感覚があります。
「おいしいから飲む」というより、
「今の自分には、こういうものがしっくりくる気がする」
そんな感覚に近いのかもしれません。
薬膳が教えてくれる、自分の状態の見つけ方
加味四物湯を通して感じたのは、
薬膳は何かを足したり、変えたりするためのものではなく、
今の自分の状態を感じ取るための材料なのだということです。
同じ香りでも、元気な日は強く感じ、
疲れている日は不思議と気にならない。
そうした違いに気づいたとき、初めて「今の自分」が見えてくることがあります。
体調は、数字や言葉だけでは表せない部分が多く、
感覚としてしか捉えられないものも少なくありません。
薬膳は、その感覚にそっと触れるきっかけになる存在なのだと感じます。
体に耳を澄ます時間
加味四物湯茶を飲む時間は、
何かを改善しようとする時間ではありませんでした。
ただ、温かいものを口にして、
香りを感じて、
「あ、今日はこんな感じなんだな」と思う。
その時間そのものが、体を整える前段階なのかもしれません。
温活や腸活も同じで、
何かを頑張って取り入れる前に、
今の状態を知ることがとても大切だと感じています。
CAONが大切にしている感覚の話
温活腸活サロンCAONでは、
「何をすればいいか」よりも、
「今、どう感じているか」を大切にしています。
加味四物湯の話も、
これを飲んでほしい、取り入れてほしい、というものではありません。
ただ、体はこんなふうに反応することがある、
感覚は日によってこんなに変わる、
そんな一例としてのエピソードです。
自分の体に起きている小さな変化に気づけるようになると、
必要なケアや休息も、自然と選べるようになっていきます。
整える前に、まず感じること。
その感覚を思い出すきっかけとして、
この薬膳の話がそっと残ればいいなと思っています。

